サヨナラからはじめよう

・・・・・・今なんて言った?
あぁ、ちょっと熱でぼーっとしてるから空耳が聞こえたんだ。
そうに違いない。

「涼子さんが好きですよ」

そこに再び彼の声が落ちてきて顔を見上げて固まる。

彼の目が・・・・・・凄く優しい。

今好きって言った・・・・・?
すき、スキ、suki・・・・?
あ、でも、あれだよね。
好きって言っても色々あるし、彼の場合は一人の人間としてって意味で・・・

「一人の女性として涼子さんが好きですよ」

「えっ?!」

彼には読心術があるのだろうか?!

「ぷっ、涼子さんの考えてる事って顔にダダ漏れですよ。今も俺に読心術があるんじゃないかとか思ってるでしょ?」

「・・・・・・・!!!!!」

驚愕に目を見開いて微動だにできない私に盛大に吹き出す。

「はは、ほんとに涼子さんって可愛い。だから放っとけない」

「な、中村君・・・?」

「俺、本気ですよ」

笑っていた顔が急に真顔になった。