「っタタタ･･･今日は一体何なのよ･･･」

踏んだり蹴ったりの体を引き起こそうと床に手をついた。
が、冷たい床の感触はなく、
固いが妙に弾力のある手触りがそこにあった。

「ん？って、ぎゃあっ！」

色気もくそもない悲鳴を上げて飛び起きる。
その下には自分を抱えるように横たわる司がいた。
さっき触ったのはどうもお腹と胸の間あたりらしい。
倒れ込んだ体を咄嗟に庇ってくれたようだ。

「･･･ねぇ、大丈夫？･･･ちょっと？」

横たわったままなかなか動かない司の体を揺らしてみる。
だが司の反応はない。

「ね、ねぇ！どうしたの？大丈夫なの？！ねぇっ！！」

まさかどこか変なところでも打ったのだろうか？
全身から変な汗が出てくる。
万が一頭を打ったときのことを考えて手の辺りを掴んで必死で揺らす。

「ねぇ、起きてよ！････司っ！」

無意識に名前を呼んだ瞬間、あいつの目がパチッと開いた。