「だいたいさ~、あそこのセクハラ部長はいつかギャフンと言わせなきゃ気が済まないのよ!」
「涼子さん、飲み過ぎですよ」
飲み始めてから2時間弱。すっかり私は出来上がっていた。
週中日だが翌日がたまたま休日ということもあり、かなりのペースで飲んでいた。
「いいの~、明日は祝日でしょ~?今日は好きなだけ飲んでやるんだから!」
「全く・・・今日はいつにも増してハイペースですね。何かあったんですか?」
「・・・別に~。なんにもありませーん」
「・・・まぁ何かストレスがあるなら好きなだけ発散してくれればいいですけど。俺が見てますし」
こ、この男はやっぱり天然のタラシだ。
この甘いマスクでさらっとこんなことを言ってのけるんだから、
それはそれは女性共が放っておかないだろう。
「中村君ってさ、基本Sのクセして時々めちゃくちゃ優しいよね」
「はぁ?」
「そんな二面性持ってたら女にもてるはずだよ。しかもイケメンだし。認めたくないけど」
「ぷはっ!最後の一言余計でしょ」
顔をくしゃっとして笑う姿がまたカワイイ。
カワイイなんて言ったら怒られるかな。

