「じゃあ、中村君の企画採用を祝って、かんぱ~い!」

「ありがとうございます」

さほど広くはない店のカウンターに二人並んで座り、早々にビールで乾杯する。

「いや~、でもさすが中村君だね。二年目にしてこの快進撃はやっぱ凄いよ」

「ありがとうございます。まだまだですけど、早く結果を残したくて」

「え、中村君ってそんなに昇進願望あった人だっけ?」

ちょっと意外かも。
確かに仕事はできるけど、そういうことにガツガツしたイメージは全くなかった。
見えないところで努力している、そういうタイプ。

「いえ、目標があるっていうか」

「目標?」

「はい。それを達成するために必死なんです、俺」

『俺』と言う彼は仕事モードオフの証拠。
その辺りの切り替えも素早い男なのだ。

「へぇ~、何かはわかんないけど叶うといいね。応援してるよ」

「・・・・・・ありがとうございます。頑張ります」


ん?
なんか今妙な間が空いたような気がするけど・・・
ま、気のせいか。