「ちなみに、涼子さんってどんなお仕事されてるんですか?」

「・・・それってあなたの記憶に必要な情報なの?」

ギロッと睨み付けると背筋を伸ばして固まる。

「・・・・まぁ別にいいけど。インテリア関連の仕事してる」

「インテリア・・・」

それを聞くと顎に手を充ててしばらく何かを考えているようだった。

「何?何か思い出したの?」

「あっ、いえ、涼子さんのイメージにぴったりのお仕事ですね」


その言葉に胸がズキンと痛む。




『涼子にピッタリの職業だね』




・・・・・どうして。
昔のアイツが言った言葉なんてもうどうだっていいのに。
あんな嘘つき男の一言なんて何の意味もない。


「もういい?明日も仕事あるから。じゃあ」

今度こそはと席を立って部屋へ向かった。