「え、・・・・え?司っ?」

指を絡ませてずんずん歩く彼に引き摺られるように私も足を進める。
帰るってどこに?
っていうかいっぱいしようって・・・・・・・何が?!

「本当は二人のマンションに帰りたいところだけどまだ何もないから。だから涼子に色々揃えてもらうまでは涼子のマンションで暮らそう」

「・・・・え?!」

足を止めて振り返ると、司は握りしめた手に力を入れながら私を見た。

「俺はもう一時も涼子から離れていたくはない。3年前のような・・・・今朝のような思いはもう二度としたくないんだ。涼子が俺の所に帰って来てくれたんだっていうことを毎日実感して過ごしていきたい」

「司・・・・」

「涼子をたくさん傷つけてしまった分、これからはもう二度と悲しませることがないように俺の愛情を全て君に注ぐよ。だから覚悟していて」

そう言って笑った瞳の奥には昨日見たのと同じ炎が宿っていた。
体の奥からゾクゾクと震えが沸き上がってくる。

「あ、あの・・・・」

「さ、早く帰ろう」

ニコッと妖艶な笑みを浮かべると、再び歩き始めた。

ま、まさか・・・?!
帰ったら私どうなっちゃうの・・・・?!
夕べのことを思い出してサーッと血の気が引いていくのがわかった。