サヨナラからはじめよう

「どうですか?愛する人が他の誰かと一緒にいるって。辛くないですか?苦しくないですか?」

「中村君っ!」

何?一体どうしちゃったの?
さっきまであんなに優しく祝福してくれてたはずなのに・・・突然どうして?!

「俺は・・・・」

「司?」

ギリギリと血管が浮かび上がるほど拳を固く握りしめ、一瞬だけ悲しげに顔を伏せたが、すぐに鋭い眼差しで中村君を見据えると、司はゆっくり口を開いた。

「俺がやったことは一生償っても許されることじゃない。それは充分わかってる。それで涼子といたいなんて、俺の我が儘だってだってこともわかってる。・・・・・それでも俺には涼子が必要なんだ。涼子なしでは・・・俺は生きていけない。自分の罪は一生背負って生きていく。俺の人生をかけて涼子に信じてもらえるような男になってみせる」

「司・・・・・」

「だからお前には渡さない。これからは指一本触れることも許さない」


バチバチバチっ!
まるで二人の間に火花が飛び散っているかのような緊張感が走る。
イケメン同士の睨み合いって半端じゃない迫力がある・・・!
なんて何を不謹慎なことを考えているんだか。