「おはようございますっ!!」
バタンッ!という音と同時に室内に滑り込む。
時計を見れば8時28分を示している。
「ぜぇはぁ、ま、間に合った・・・・・・」
なんとかギリギリセーフ。
こんなに時間ギリギリに出社したのは初めてのことだ。
ホッとしたと同時にこれまでの疲れがどっと全身にのしかかってくる。
・・・・なんだが腰から下が異様に重い。
はたとその原因に思い当たると急にお腹の辺りがザワザワしてきた。
「おはようございます。顔赤いですよ?」
「えっ?わぁっ!!」
声のした方に振り返ると至近距離のところに中村君の顔があって思わず後ずさる。
「涼子さんが遅刻ギリギリって珍しいですね。寝坊ですか?」
「え?あ、そ、そう!ちょっと寝坊しちゃって!いやぁ焦ったよ~、アハハハ」
「・・・・・・」
な、何、何ですか。
そのじとーーーっとした視線は。
・・・・・もしかしてばれてる?
勘の鋭い彼ならすぐに気が付いてしまってもおかしくない。

