その手はすぐに司の手に捉えられ、そのまま唇まで運ぶと愛おしそうに口づける。

「俺は落ち着いてるよ。今目の前にいる涼子が本物だって確かめたいんだ」

そう言って再び捉えたままの私の手のひらにキスを落とす。
燃えるような瞳は私に向けたまま。
その行為だけで全身にゾクゾクと震えが走る。

何これ、この色気はなんなの・・・・?
男が醸し出す色気のレベルを超えちゃってるでしょう?
こんな目で見つめられて、突っぱねられる人なんているの?

・・・・でも、でも!まだやっと自分の気持ちが見えたばかりなのにこんな・・・!

「司、待って、だってさっき向き合ったばかりなんだよ?私た・・・・」

「ずっと夢見てたんだ!」

焦ってもはや何を口にしているかもわからない私に苦しげな声が覆い被さる。

「・・・司・・・?」

「あの日から今日まで、毎日毎日、ずっと涼子のことを考えてた。夢を見てた。
気が狂いそうなくらい、ずっとずっと涼子がこの手に戻ってきてくれることを夢見てたんだ・・・・」

苦しそうにそう吐露する姿にこっちまで胸が締め付けられて。
泣きそうな目で見つめられたら放ってなんかおけなくて。
やっと向き合えたばかりでこんな展開あり得ないって思うのに。


・・・・・どうしてだかあなたをギュッと抱きしめてあげたくなったんだ。