「涼子さん、無事に展示会が終わったら俺とデートしてくれませんか?」
「・・・え?」
私にとっての大仕事である展示会が一週間後に迫っていた。
あの日、司の手紙が届いてから1ヶ月、
司を最後に見てからもうすぐで2ヶ月が過ぎようとしていた。
その間忙しい日々を送りながらも変わらず同期と飲みに行ったり、
本当にこれまでと何も変わらない日常が戻っていた。
ただ一つを除いては。
「・・・駄目ですか?」
「・・・いや、駄目じゃないんだけど・・・・・」
中村君はあれから仕事上は変わらない。
でも、それ以外の時間は隙があらばこうしてお誘いをかけてくる。
ガンガンモーションをかけられてる状況だ。
「・・・ごめん、とりあえず終わってから考えてもいい?」
「・・・・わかりました。いい返事待ってますから」
そう言って中村君は私の元を去る。
あれから何度もこういうやりとりが続いている。
彼に非常に申し訳ないと思いつつ、どうしても前向きに考えられない。

