サヨナラからはじめよう

どんなに頭からあいつを追い出そうとしても、
どんなに記憶から全てを消し去ろうとしても、

結局私は忘れることなんてできていないのだ。


こうしてたった一枚の手紙を見ただけでこんなに動揺している。
それが何よりの証拠じゃないか。


私はちっとも立ち直れてなんかいない。

あれから3年もの月日が経ったというのに、
ほんの少しあいつと一緒にいただけで全てが蘇ってしまった。





どうして。

どうしてどうしてどうして!!!


今更私の前に現れたりなんかしたの。
あなたが現れなければこんな感情を思い出して傷つくこともなかったのに。



私は自分の気持ちを認めたくなくてひたすら泣いた。





あいつからの手紙はクローゼットの奥深くに封印された。