サヨナラからはじめよう

一体何が書かれているのか、怖くてたまらない。

いい加減あいつが伝えたいことを聞いてあげるべきなのかも知れない。
それでも、3年前の苦しみを思い出すとその一歩が踏み出せない。
見なければ何も傷つくこともない。


捨ててしまおう。


私はそう決心すると足早に部屋へと向かった。
リビングに入るとすぐにゴミ箱の上で手紙を引き破ろうと掴んだ。
端の部分を握ってグッと力を込める。





・・・・・・それなのに。
そこから金縛りにあったように手が動かなくなってしまった。


どうして。
手を下に引けばいとも簡単に破れてしまうのに。
さっさと破ってしまえばいいじゃない!

そう思うのに、どうしてもそうすることができない。


「ふふふ・・・私ってほんとどうしようもないバカだわ・・・」


気が付けば泣き笑いしている自分がいた。