「三国さん、お疲れ様!」

イベントホールの小会議室へ入ろうとしたところで、ちょうど横からやってきた齋藤さんに声をかけられた。

「あ、お疲れ様です。今日は宜しくお願い致します!」

ガバッと頭を下げる私に齋藤さんは苦笑いで引き止める。

「やだ、そんなにかしこまらないで。楽しみにしてたのはこっちも同じなんだから。絶対いいものにしましょうね!」

「・・・・はいっ!」

出だしから気合いは充分だ。

齋藤さんは私が個人的に展示会を見て回っていた時に知り合った人だ。
やはりこのホールでインテリアの展示会が催されていた時で、その洗練された仕事に五感がビリビリと刺激されまくったのを今でもはっきり覚えている。

その時担当していた彼女の魅力にすぐにとりつかれた私は、いつか自分もここでイベントを企画してみたい、彼女と組んでみたいとずっと思ってきた。
今回念願叶ってようやくその夢が実現する。


それから4時間弱、私たちはみっちりとイベントについて練り合った。