サヨナラからはじめよう

また朝が来る。

そして奴が来る。

3、2、1・・・・コンコン。
ほら来たっ!


「涼子さん、おはようございます。調子はどうです・・・」

「これでどうっ?!今日こそは仕事行っても文句言わせないわよ!!」

部屋に入ってくるや否や、有無を言わさずあいつの前にブツを差し出す。
司は驚きつつ黙って受け取ると、それをじっと見つめた。

ドキドキする。
何故こんなにこっちが緊張せにゃあならんのだ?
すこぶる納得いかないが情けないことに完全に丸め込まれている。
すっかり先生の合否の審判を待つ子どもの状態だ。

「・・・・そうですね。大丈夫です」

その言葉に心底ほっとする。
・・・したのも束の間、

「ただし。6度9分という非常に微妙なラインであることに違いはないので、僕はもう数日様子を見させてもらいます」

「・・・・・は、はぁあああああ????なんで?ちゃんと熱下がってるじゃん!っていうか一体あんたに何の権限があるっていうのよ?!」