「あっ、くるみ。」
授業が終わってくるみに話しかける。
「君島、居ないんだけどなんで?」
「あっ。」
明らかにまずいという顔をした。
幼なじみだとそのくらいわかる。
「なんだよ?」
「なんでもないよ。花は多分保健室かな?」
「なんで?」
聞き返すとくるみは黙った。
「なんで?」
もう一度聞くとばつが悪そうに言った。
「ちょっとついてきてくれる?」
くるみが向かったのは体育館裏だった。
「何でこんなところ来てんだよ?」
「黙って聞いて。うちの口からいっていいのかわからないけど。
あんたが知りたいなら話すね。」
そう言って彼女の過去を話し始めた。


