家の奥から出てきたあなたのお父さん、司さん。

春さんを抱きしめながら言った。

「すまないが、帰ってもらえないか。」

その目は憎悪だった。

有無を言わさないその目に私は一言も発さずに帰った。




まだ、まだ、まだ


生きてるよね。


死んでなんかない。



現実逃避。



私の逃げ道はそれしか無かった。