台風一過の青空を見ていた。

「こんにちは」

後ろを振り返ると、薬剤師の来室だ。

「調子はどうですか?」

他愛もない会話が続く。

「今回は何故入院したか、考えているんですよ。」

「失礼な言い方かもしれませんが・・・」

薬剤師は前置きをして、話を始めた。

「人間、誰もがバイオリズムがあるとおもうんですよ。落ち込んだり、楽しかったり・・・」

と、右手で縦に波をうちながら話を続けた。

「要は、あまり考えても意味は無いかと。そのバイオリズムを整える為に薬があるのだと思うんですよ。」

その波うつ右手を見ながら、自分は「エフェクター」を想像していた。

自分自信が楽器で、薬はエフェクター。

家で埃を被っているであろうギターとエフェクター。

妙に恋しくなった。