奏多の字で私宛の

最初で最後の手紙だった。






『瑠奈へ


看護婦さんにお願いして

預かっててもらったんだ。

もし俺がいつか死んだら渡して、

って言って。


呼んでるって事は俺は

もうこの世にいないかな。


瑠奈の事昔から大好きだった。

でも病気が分かっててお前を

傷つけたくなかったんだ。


でも今会って........

誰にも渡したくねーなって

思ったんだ。


俺の瑠奈。

一生俺だけの瑠奈でいて欲しいって

そんな事思ってんだぞ?俺(笑)


俺がからかって

照れてる瑠奈とか

笑ってる瑠奈とか全部の瑠奈が

俺の全てだった。