「奏多!行くよー」


「ちょっと待てって。

急ぎすぎー」




今日は奏多が退院できる日。

退院は一応、なだけ。



病院通いはこれからも続く。





「もう家に荷物行ってるんだろ?

行こうぜ、俺達の家」


「うんっ!」




きゅ、と手を繋がれ

2人でタクシーに乗り込む。



久しぶりの外なので

奏多も嬉しそうに笑っている。




五分くらいたって

タクシーが停車したところ。




「うわあ............あの家だ!

すごいーーっ!」


「はしゃぎすぎ。

この家やっぱいいな。

よし入るぞ、お腹気をつけろよ」