「ねー本当にいいの?」


「いいだろ?あそこ綺麗だし」


「でも早くない??決めるの」




これからずっと住む家なのに

すごいあっさりだし。



まあ、私も気に入ったからいいけど。






「新しい俺んち、電車乗るから」


「う、うん。緊張してきた............」


「ははっ。緊張すんなって」


「前は自分もしてたくせに........」




奏多はその言葉を聞き逃さず、

私の頭をわしゃわしゃなでた。




「なあ、さっきのおじさん

誰の親父だと思う?」


「えーーー?

えっと、長谷川不動産だっけ。

長谷川って誰かいたっ........................」









長谷川................紫輝。






「え、紫輝の!?」


「気づくのおせーなー」