遅い、と言いたそうな顔で
見つめられる。
今日来たのは『長谷川不動産』
奏多がオススメ!って言ってたけど
そんなに良いところなのかな?
ガララ、とドアを開ける。
「ちっす」
「お、奏多君!
久しぶりだね、さあ上がって」
店の人らしきおじさん。
奏多、知り合いなんだ............。
「おや?彼女かい?
さすが奏多君、可愛い彼女だねえ」
まじまじと見られ、目をそらす。
奏多はニヤニヤしてこっちを見る。
「おじさん、俺ら............と子供で
住む家探してんだけど」
「........おお!おめでとう!
家族で住むなら................」
「あ、安めで。割引もして。」
奏多は遠慮なしに
どんどんと条件を言っていく。
おじさんはそれに慣れているのか
笑いながら物件を探す。