放課後。
いつものように静かに帰ろうとしていた。


「ねぇ大島さん!」

教室を出ようとした時、不意に声をかけられた。


その声は同じクラスの梨木優子だった。


「前から友達になりたいと思ってたの。良かったら友達になってくれない?」

「え、わ、私?」

「うん!」

「じゃ、じゃあ……」

私は差し出されていた梨木さんの手を握り返した。


「あ、優子って呼んで!私、千佳って呼ぶから!」

「う、うん。よろしくね優子……ちゃん」

「あはは。よろしくね!千佳!」


嬉しいな。
高校で初めての友達だ。