「お前、言ってたじゃん。『千佳の事は何があっても守りたいんだ』って。それは嘘だったのか?」

「な!それは嘘じゃねぇ!!」

この言葉は千佳がいじめられてると気づいた時に俺が祥也に言ったこと。

この言葉だけは嘘じゃない。

ガキの時からずっと千佳の傍にいたから、段々守りたいって想いが強くなって。


「だったら戦えよ!千佳ちゃんのお父さんと話し合えよ!言われるがままじゃねぇか!千佳ちゃんにとって離れるほうが一番とか思ったのかもしんねぇけど千佳ちゃんにとってお前が傍にいてくれることが生きがいなんだよ!!」

祥也……。

祥也のこんな怒った顔、初めて見た。


千佳が俺が傍にいる事が生きがい?

だけど俺は……


「さっき大島から電話あったよ。千佳ちゃん、凄く体調が悪くて死ぬ瀬戸際だって。そうなったのも蓮斗が来なくなった次の日からだって。ほら、蓮斗がいなきゃダメなんだよ千佳ちゃんは」

「っ……」

千佳……。

「死んでも良いのかよ。千佳ちゃんが死んでも大丈夫って言えるか?」

「……。悪い、俺……しばらく学校休む!」

俺は千佳のところに走った。


ー「もう千佳の前には現れないでくれ」ー

すいません、おじさん。
俺、やっぱり千佳の傍にいたいんです!




「ほんっと世話が焼けるよね、あの2人」

「だね。蓮斗ってば変に強がるんだもん。苦労しちゃうよ」

「クスッまぁ確かにね。でも蓮斗君が行っただけじゃ……治るとは限らないよ?」

「そうだけどさ。傍に置いてあげたいんだよ。死んじゃって後で誰かに教えてもらうより見送って欲しいんだ」

「へぇ。色々考えてるのね」