いきなり女子の後ろから男の声が聞こえた。


「し、島崎君」

う、嘘……。

今助けたら、蓮斗は……。
次は蓮斗がイジメの対象になっちゃうよ……?


「幼馴染みが抱き合っちゃいけない法律でもあんの?」

「な、ないけど……」

「なら良いじゃん。これ以上俺の幼馴染みになんかしたら許さないから」

さっきとは違う全然凄みのないイジメっ子。

蓮斗凄い……。


蓮斗は床に座り込んでいる私を立たせると何事もなかったように友達のほうに戻って行った。


何でそんな期待させるのよ……

もっと好きになっちゃうじゃない……

お願いだからこれ以上苦しめないでよ……


助けてもらって嬉しいはずなのに、悲しい複雑な気持ち……

自分がよく分からない。