「……」

「好きなら好きって言えば良いじゃん!正直、今の千佳はただ逃げてるだけだよ。島崎君に好きって言ってフラれるのが怖いからって逃げてるだけ」

「に、逃げ……」

逃げ……てる?
私が……?
蓮斗から……?


「待ってるだけじゃダメだよ。自分からいかないと」

私から……


「今なら間に合う。あの女に島崎君を渡しちゃダメ」


「優子ちゃん……」


「さ!」

優子ちゃんに背中を押され、私は走り出した。


『好き』

たった2文字だけど、沢山の想いを込めた言葉を胸に抱え走る。


蓮斗……
私……
やっぱり貴方が好き。

勝手かもしれないけどもう一度やり直そう。