「じゃ、ここまでにしとくか」

「……うん」

自分から途中までって言ったくせに、名残惜しく返事をする。


「なんかあったら俺に言ってこいよ」

私から去る前にボソッと私の耳元で囁いた声にドキッとした。


「う、うん」


「蓮斗くーん!おはよー!」

学校に入った瞬間、あっという間に囲まれる蓮斗。

凄いなー。
私なんて、逆に避けられるのに。


今からまた、別々に学校生活送るんだね。

蓮斗にとったらどうでも良い話かもしれないけど、私にとったら……


一緒に歩いていたあの時間は凄く凄く幸せだった。
もっと続けば良いのにって。


ねぇ、蓮斗。

私が今貴方に私の想いを告げたら貴方はどう返してくれるかな?

なんて、言えるわけもなく。

私は黙って、蓮斗と蓮斗を囲んでいる人達の横を通りすぎた。