「祥也がいない時は俺が千佳を守る。いる時は2人で千佳を守る」

ドキッ

蓮斗……

そんな事言われたら……
泣きたくなるじゃん。


「千佳?」

必死に涙を堪える私の顔をのぞきこむ蓮斗。


ダメ!

咄嗟に顔を逸らした。


こんな泣き顔、見られたくない。



「たくっ。泣いてるなら素直に言えよ」

そう声が聞こえた瞬間、

「きゃ!」

突然塞がれる視界。

え、待って……
これって……

ハグしてるの!?


「俺らガキの時から一緒で、何でも言い合ってきた仲じゃねぇか。1人で抱え込まねぇで、俺に頼れ。千佳には守ってくれる奴がいるって事、忘れるな」

頭上から降ってくる優しい声にドキドキしながら私は蓮斗の温もりに身を安らがせる。

蓮斗が顔を赤くしてる事にも気づかずに。

そして

そんな私達を誰かが見ている事も気づかずに。