とぼとぼと少年の部屋の扉をすり抜けると、誰かにぶつか…らずに透けた。


「ご、ごめんなさい…！あの、」

しかし新聞を持ったその人物は動揺一つせず、そのまま歩き去る。


どうやら一家の父親であるようだ。




(おじさん…)


"お父さん"と呼ぶには少しながら抵抗があったため、少女はおじさんと呼ぶことにした。見知らぬおじさんという意を込めて。


少女はそのままおじさんの後を追い、台所に出ると少年の両親を確認した。



少年は先程のおじさんと食卓で朝食を頂いているところだった。



(ど、どこに居ようかな…)


ふと視界に朝のニュースを映し出すテレビと、大きめのソファーが見えた。



少女はソファー端っこにちょこんと座ってテレビを見ることにした。