「あ、ごめんね。泣かないで。」

「ごめんなさ…い…」

「何であなたが謝るのよ…。爽はあなたのこと知ってるの?」

「爽…?」

「この家にいる男の子。目の前の部屋にいる、私の幼馴染み。」

「いえ、私の事みんな見えないので…」

「あ。そっかそっか…」




少しの沈黙の後、栞が口を開く。


「私達、友達にならない?」

「友…達…?」

「そ。爽の家に遊びに来た時はあなたの所にも会いに行ってあげる。」

「いいんですか…?」

「そんな泣きそうな顔しないでよ。私昔から泣いてる子放っておけなくてさ。だから、どうかな?」

「あ、ありがとうございます…!」

「じゃあ敬語禁止ね。私のことは栞って呼んでね。」

「あ、はい…じゃなくて…うん!」