何処か懐かしい匂いがした

吸い込まれるような時計の音に目を覚ます
目を開くと、茶色いカーペットの上にうつ伏せになって寝ていた。


(ここ、私の部屋じゃない…)


少女が起き上がると、見たこともない部屋が広がっており

目の前には大きめのシングルベッドの上で少年がすうすうと寝息を立てていた。



「だ、誰…?」

少女が慌てて口を塞ぐ。
しかし少年は何事もないように眠っている。

ほっと溜め息をついた後に
少女は、取り敢えずこの部屋を出ようとドアノブに手を掛けようとした瞬間



「え…」

透けた。