再び塞がれた唇から、私と流川の途切れ途切れの息が漏れる。


冷たい冬の空気。


時々吹きつける風。


でも、そんなのも全然感じないくらい、熱い。


ゆらゆら波打つお湯が、激しさを増していくから。



「る、かわ……、も、ダメ……っ」



ぎゅっとしがみついた流川の肩越しに、雪化粧の木々が見えた。


真っ暗闇に、浮かぶ白。


ちらちらと降り注ぐ雪の華。


ひとつになった私たちを見ているのは、非日常的なこの景色だけ。


のぼせそうなくらいに力の抜けた私は、流川の肩にもたれかかった。



「……なかなかイイ顔してたな」



なんて。


耳元でささやくかすれた声。



「ま、楽しめたから、合格くれてやる」



甘噛みされる耳が、くすぐったい。