「何ですごいって知ってんだよ、どこに隠れてた、オトコ風呂の」


「違う違う。聞こえてきたの、声」


「聞こえてた?」


「うん。オネエたちの声。らぶりー留美でしょ?」


「……まさかここにいるとはな。想定外もいいとこだ」


「ねー、びっくり。なんで? 旅行?」


「社員旅行みたいなもんだって言ってたな」


「それが今日で、この旅館で?」


「ありえねーよな。なんつー偶然だ」


「触らせて~とか聞こえてたよ?」


「……」


「流川の逃げる音もした。バシャバシャって。ぷっ」



あ、、、笑っちゃった。


マズイ…



「……お前な、」



むくり。


起き上がった流川が立膝でこっちを見てる。


や、やばい。眉間に皺が寄ってる……。