「でも一人じゃないよね? 多くない? 声」


「うん。数人はいるね、同じようなのが」


「なんで? どういうこと?」



この場所で声がするってことは、泊まりに来てるってことだよね?


同じ日に同じ旅館なんて、偶然にもほどがあるんですけどっ。



「この声がして、この内容ってことは、迫られてるのは流川直人しかいないよね」


「……だよね」


「てか、オネエって男風呂に入るんだ」


「オネエマンパラダイスの一派は、一応まだ体はオトコみたいだしね」


「ぷっ。笑える。お湯の音バシャバシャ言ってるよ、唯衣」


「逃げてるんだね……流川」



ご愁傷様です。