長い脚と腕をぐっと伸ばした麻紀は、ぷか~とお湯に浮いてぼんやりしてる。
やっぱり……今日の麻紀、いつもどおりのようでもちょっと元気ないな。
原因は祐二くんとの関係?
そんなに悩んでいるのかな?
「出会った時はさ、これって運命? とか乙女チックなこと感じたりもしたんだけどね。
何ていうかさ、この人だ! みたいな」
ひとり言みたいに話す麻紀の声は、ワントーン低い。
「麻紀? 大丈夫?」
心配になって声をかけると、
「流川直人は優しい?」
「へ?」
「まあ、ぶっきらぼうに見えて優しいか。何だかんだ言って唯衣のことすごい大事にしてる感じがわかるもんね」
「うん、う~ん?」
逆質問にとまどいながらも、考えてみる。
流川は、そうだなぁ……、
ドS攻撃は常に受けてるけど、でも、最後にはいつも私の気分を上げてくれてる気がする。