「フローリングもツルツル~♪」


カエルをそり代わりにして床の上を滑ってみると、


「何やってんだ、バカ」


腕まくりをしてテレビを抱えていた流川に怒られた。


「お前は園児か。そういうことは後にしろ。さっさと片付けるぞ」


今日は、倉庫に預けていた大きい荷物の引き取りもあったから、流川も手伝いに来てくれている。


「遊んでるなら、オレは帰る」


「いやいやいや、ごめんなさい。ちゃんとしますっ」


麻紀とふたりじゃ、永遠に片付きそうもない。


「何から始めたらいいでしょうか、流川隊長!」


慌ててシャキーンと立ち上がった私。


背筋を伸ばして敬礼のポーズを取ると、


「何の真似だ、それは」


「あはは」


「アホ。そうだな、まずはデカいものからだな。ベッドとかもあるんだから、ちゃんと持てよ」


「うん」


「ほら、そこの友達、ちゃんと手伝え」


「はいはい、分かりました~流川直人隊長」


「……だから何の真似なんだよ、それは」



うんしょ、こらしょ。

流川の指示で、テキパキと荷物入れをこなしていく私たち。


その甲斐あって、午前中から始めた作業は、夕方までには終わらせることができた。