「仲居さん、天然に磨きがかかってるね」
「ホントにな」
感心しながらも。
「……出ないよね……?」
やっぱり気になる幽霊話。
もう一回、流川の口から「出ない」って言ってもらえれば、安心できる気がする。
そう思って身を乗り出したのに。
「さあ……、どうだかな」
「え゛?」
思わぬ返事に、顔が引きつる私。
「ちょっと。さっきは出るわけないって言ったじゃんっ」
焦る私を見て、流川の口角がニヤリと上がる。
「そう思ってたけどなぁ、お前の後ろにいるしなぁ、今」
「…………ふぇ???」
ぞぞぞぞおぞぉーーーー!!!!
一気に鳥肌!!
全身ボツボツ!!


