「る、流川っ……怖いよ~」



流川の腕にぎゅっとしがみつくと。



「お前の運転もひどかったんだぞ?」



私を見下ろして、思い出し笑いをする流川。



「それこそ落ちるんじゃないかと思ってたんだからな」


「あ、あの時はすごく必死だったんだもんっ」


「分かってるよ。鼻の穴広がってたしな。しかしひどかった。バックするわ、エンストするわ」


「笑わないでよ~。って、きゃっ!!」



タイヤが弾んで、おしりがボンッと浮く。



隣に座っていたカエルも一緒に飛び上がったと思ったら。


前の席に、頭から勢いよくダイブしていった。