「麻紀、早くティッシュっ」


「ちょっと待って。え~っと、」



ガタガタッ! ゴトンッ!


再び車が揺れると、



「ああーっ、ポテチまでぶちまけちゃった!」


「勘弁してくれよ~麻紀~、オレの股間にはさまってるし」


「今取るから」


「ちょっ、ヘンなとこ触るなって! ひゃひゃひゃっ」



車が揺れるせいで、散らばったポテチはうまく回収できないみたい。


祐二くんの足も腕も動くから、車はさら複雑に動く。



「わわわっ。こ、怖いんですけどっ」



とばっちりは、当然、後部座席の私たちにも。



「ちょ、祐二くん! 下! 下! 崖!」



おおお……落ちたら終わりですっ。