「……どうする? 流川」
「話が急過ぎんだよ、お前らはいつも」
「でも温泉好きでしょ? 流川直人」
「まあ、嫌いじゃねーけど」
「じゃ、決定。くわしくは後でメールするねー」
バイバーイと出ていった麻紀。
残った私と流川。
「え~と。楽しみだね、温泉」
「また大変なことになるんだろうな」
酒乱の麻紀に、騒がしい祐二くん。
あの時の光景を思い出した私も、苦笑いをしてうなずいた。
「どれ、オレ達も戻るか」
「うん」
「カエルは置いていけよ」
「え~、連れてく~」
「ダメだ。今夜は留守番。明日は買い出しもあるんだから、そいつがいたら余計に大荷物だろ」
「うーん、そだね、わかった。あ、でも、温泉には連れていってもいいよね?」
「好きにしろ」
「わー、よかったねー、カエル~」
赤い口を開けて笑っているカエルをベッドに寝かせて、私たちは流川のマンションへ戻った。


