夢みたい。




「花火行くまでに一回ご飯行こ。ゆっくり森川さんと話したいし。今までは車の中だったからね?」

「あ、はい!!」



もっともっと先生と話したい。
もっともっと先生のことを知りたい。


それは、両想いだとわかっても変わらないこと。






「あ。」
「はい?」
「俺のこと、先生って呼ぶの、これから禁止ね?普通に名前で呼んで?」
「え、名前で…ですか??」
「だって…彼氏なんでしょ??」
「あ……はい。」


”彼氏なんでしょ??”

それが、嬉しくて。


「瀬口…さん…。」
「うーん、”旬”でいいよ。名前。……未玖?」
「え……は、はい!旬…さん!」
「いつかは呼び捨てにしてくれたらね♫」


ー未玖。



私の名前を呼んでくれるなんて。

もうそれだけでドキドキだよ。
先生…。



あ、いや、旬…さん!!




「瀬口ー、そこ、エントランスだぞ〜。外から丸見えだぞ〜。」



そんな声が頭の上から……

って!!


「佐々木さん!!」
「上からも丸見えだけどな〜。お前、今日はこの後も教習ないからってそこでいちゃつくなよ〜。」
「いつからいてたんですか!!」
「ん〜と、さっきからかな?」
「それ、わかんないですよ!」

「森川さん。成るように成ったやろ?」
「え…」
「免許も……恋…もな?」

何を言われてるかわからず、私はただ目をパチクリさせてるだけだった。


…ってことは、私の気持ち…知ってたとか!?
気付かれてた!?!?