車内恋愛。

「……2ヶ月…あっという間だったでしょ。」


「あ、はい。」



沈黙を破ったのは先生だった。


「初めはどうなるかと思ってましたけど、免許取れて良かったです!テストや検定は全部一発合格でいけましたし!」

「それはすごい。全部一発合格とかさすが。」

「ほんとに、瀬口先生には何回も担当してもらえて…嬉しかったです…。お世話になりました。」

私はペコっと頭を下げた。

ダメだ、泣きそう。


「わかりやすくて、それにいつも楽しかったです。」

「それは…良かった。わかりやすい、って言ってもらえて嬉しい。」

いつもの瀬口先生の笑った顔。


もう、本当に今日で…最後なのかな。


せめて、気持ちだけでも…



でも、なんて、言い出したら……



「もう…卒業した…んですよね。なんか実感ないです。つい昨日、卒業検定受かって、今日免許取って…。パパパッて全部終わって行って…寂しいです。まだまだ教習所に通い続けていたいくらい。」


先生の顔を見たら涙が零れそうで、目を見て話せない。


「こんなに…教習所に通うのが楽しくなるとは思いませんでした。」




「それも……それは……


瀬口先生のおかげです。きっと。」



ダメ、ダメ、涙は…堪えろ!自分!!


「実は……先生に…担当してもらえるかっていつも…楽しみで、機械にカードを…通すのに…ドキドキしてました。」

あ〜、ダメ、声が泣き声になってる。



ダメ、ダメ!

でも伝えたい想いは止まらない。



「先生……私……」


私がゆっくり顔を上げようとしていたときだった。