「四輪の人たちはもう少し待っといてな。」

ぱっと佐々木先生と目が合う。

「お、お疲れさん。」

「ありがとうございます。」

「ドキドキやな〜。」

「はい。」

「免許取れたら報告待ってるわ。」

「はい。報告しに来ますね。」

佐々木先生は二輪の人たちを見送り、教室を出て行った。


数分して、何人か戻ってきた。
私と同じ車だった2人と、あと1人。

卒業検定を受けたのは8人…で、あと1人だけ戻って来てない。


「はい、四輪の人たち、お疲れ様でした!」

またまた勢いよく入ってきた佐々木先生。

「ここにいる人は…合格です。おめでとう!」

ということは、1人ダメだったんだ…。

「卒業証明書は今作ってるからしばらく待ってて下さい。その間に配布物と…アンケートのお願いがあるので、よろしく。」

緑の大きな封筒が配られる。

中には…祝・卒業と書かれた袋に初心者マークが入っていたり、本試験となる学科試験を受けるときの方法が書かれた紙などが入っていた。

「アンケートはこれ見て、良かった人、悪かった人、とか書いてな。じゃあ、もうしばらく待っててな。」

そう言って佐々木先生は教室を出て行った。

アンケートは技能、学科でそれぞれ良かった教官と悪かった教官を、先ほど配られた職員一覧から名前と番号を書く。


悪かった教官はいない。

良かった教官…というと沢山だけど、その中でも…

私は技能では佐々木先生と、瀬口先生の名前を書いた。

学科はまた佐々木先生と、面白かった女の教官、里田先生の名前を書いた。