いつもはFMが流れ、DJの人が話して、音楽が流れて…だけの車内だけど、今日はずっと先生とお話をしてる。


ふと窓の外を見て、駅の近くまで来ているのがわかった。

もうすぐ、このご褒美のドライブは終わる。
…今日は先生とお別れ。


「次はいつ来るの?」
「えっと…明日学科を受けに来ます。」
「そっか。また2段階、頑張ろな。きっと順調に進めると思うし!」
「はい!」

頑張れ!、とか、頑張って!ではなく、頑張ろな。って、言ってもらえて嬉しかった。


市駅のバスロータリーまで来た。
「この辺でいいかな?」
「はい!大丈夫です!」

「ありがとうございました!」
私は車を降りた。
「またね。」
「はい!」

瀬口先生は手を振ってくれた。

私は先生の運転する車が見えなくなるまで私はそこに立ち尽くしていた。