教室を出て、教本を見る。

ーあ、良かった。あの問題は合ってる!

全員が解き終わり、3階ロビーで待機。



待ってる時間がもどかしい。


「採点が終わりました。結果を発表するので、教室に入って下さい。」

受検者は教室に入り、着席した。


緊張。



「今回は…全員合格です。」




合…格!!



仮免学科試験、合格!!!



「やった…。」
思わず小さな声でつぶやいた。



「おめでとうございます。では、今後の流れを書いたプリントを配布します。」



2段階のことでの注意が書かれたプリントと、卒検前効果測定の問題集。


解散となり、私は送迎バス乗り場へ。
私の乗るバスには私だけ。
他の教習生と一緒になったことなんてない。

私の乗るバスのコースは予約制。
他のコースは予約制でないところもある。
それほど私の利用するコースで通う人は少ないってことかな。


あれ、バスがない。

いつも「〜行」と書かれた場所に止まってるはずなのに、バスが止まってない。
あれ、あれれれ?
私、予約したよね?


思わず教習所のマイページにログインして確認する。
いつもバスや技能の予約はこのマイページからしている。

うん、予約してる。
待ってたら来るかな?


「どこ行?」
隣のバスから運転手のおじさんが降りてきた。
「市駅です。」
「あ、ちょっと待ってな。もうすぐ来るわ。車向こうやわ、ちょっと待って、エンジンかけるな。」
おじさんがエンジンをかけてくれる。
いつも乗っている「笠木自動車教習所」と書かれたカラーのバスではなく、本当にワンボックスカーみたいな車。
窓のところに教習所のパネル?を置いている。

「ごめんね、しばらく暑いと思うけど、我慢して。」
「あ、はい。大丈夫です。」

運転席のすぐ後ろにシートが2つだけ。
運転手さんの真後ろに座ることになる。



ー瀬口先生は今頃教習中かな。
ふと所内のコースを見る。
つい見てしまう。いるかな、って。

そんなときだった。