「準備が出来たら乗ってきてね。」


私はふーっと息を吐いた。

深呼吸。

今までの教習で言われたことを思い出す。

ーもう少し小回りで。
ーハンドブレーキが固かったら少し上に上げてみて。
ー目線は遠く。

ー乗る前に…??


よし!



車の前と後ろを確認する。


「前方よし、後方よし。」

シートを前にする。

ミラーを動かす。

シートベルトをする。

バーを確認して、ブレーキを踏みながら、エンジンをかける。

方向指示器を出す。

パーキング、ハンドブレーキ。

「後方よし、後方よし。」


始まった。





S字・クランク。

降りて見たよね。
まだ寄れる。今の感じだったな。

ハンドルをきってクランクを通る。


坂道発進。

順番は先生のときに覚えた。
方向指示器、確認、ハンドブレーキ。
そして、ローへ。
下ったら戻す。



あっという間に最後の外周。


時速30kmを出し、それからカーブ。

そして、着地点。



ーガチャッ

エンジンをきって、降りる。



私の検定が終了した。


車の中に座り、私の後ろに乗っていた人は降りる。


「お疲れ様。アドバイスを言うと、左に寄りきれてなかったところかな。あれを路上ですると、バイクが平気で入ってくるからね。」
「はい。」

「じゃあ、結果は2階ロビーで発表になるから。待っててね。」
「はい。ありがとうございました!」