車内恋愛。

今のまま順調にいけば、あと2回乗って検定。

検定は月・水・土・日曜日だけ。
水曜日はゼミだから行けない。
としたら、金曜に2回乗って、土曜日に検定…かな。
木曜日はバイトが朝からだし。

私は技能2時間分を金曜日に入れた。


ゼミでは卒論のこと。
バイトでは後輩指導。

最近は遊ぶよりも、ゼミ・バイト・教習ってなっている。



ー金曜日。

「おはようございます!カードお預かりします!」
柿原さんの笑顔が素敵。

「今日2回乗られますね。おそらく、2時限目は見極めとなります。そこで、良好となれば、修了検定の予約ができます。良好でなければ、一時間以上の補習をして、また見極めとなります。
見極め、頑張って下さいね!」
「はい!」

ピー、ガシャッ

カードを見ると、二人とも知らない名前。

ー瀬口先生じゃなかった。


見極めってなると、ベテランの先生になるのかな?


「森川さーん。」
「あ、はい。」

40代くらいかな?


その後ろには瀬口先生がいた。
ーあ、先生…。
「あ、今日も担当しますね。」
瀬口先生がお母さんくらいの人のところへ。
私も担当してもらいたい。
そう思っちゃう。


月曜日ぶりの運転。

「次の時間が見極めやね。この時間は色々練習、復習しよか。まずはS字・クランク、坂道かな。」

一つ一つの動作を確認していく。
この前、瀬口先生に言われたことを思い出しながら。

時々すれ違う車の助手席に瀬口先生が乗っているのを見る。

もし、私みたいな女子学生の担当をしているのを見たら妬いていたかもしれない。

「あ、あの車の教官が次の担当やわ。」
「あぁ、はい。」

少し厳しそうなイメージもある。けど、見極めだし!

「今の感じでやれれば見極めも検定も大丈夫!頑張ってね。」
「はい!ありがとうございました!」


私はロビーに戻って待機。