旬さんは私の肩を掴んだ。

私の頬には涙が流れていた。



「私、今日見ちゃったんです。可愛い教習生からアドレスの書いた紙をもらってるところ。あんな可愛い人にもらったら嬉しいですよね。私よりも可愛くて綺麗な人はいっぱいいるし、旬さんもいつか…「未玖!!!」

旬さんが私の肩を掴みながら私の名前を大きな声で言う。

「未玖…もう何も言うな。」

「ごめんなさい……私、旬さんの仕事のこと理解してるつもりでした。だけど…だけど…」

涙が止まらない私を旬さんは抱きしめてくれた。



「謝るのは俺の方。ごめん。不安にさせて。」


旬さんは私をぎゅっと抱きしめながら頭をポンポンとしてくれる。



「未玖がこんなんになるまで気付いてあげられなくてごめん。」


抱きしめる大きな手が少し離れたかと思えば、旬さんは私の目をじっと見た。