「ゆり!」 ハッとすると目の前に茂木くんの顔が飛び込んできた。 「ゆり、お昼食べよ。あるものあっためたから」 そういって指さされたテーブルには二人分のごはんが用意されていた。 「桃すきだったよね?ゆりのために昨日買ってきたんだ」 やわらかな笑みがあたしに向けられる。 「早く食べないと午後の授業に遅れちゃうよ?」 手を引かれてその穏やかな笑みを見つめる。 今このときだけはその笑顔はあたしだけのもの。