茂木くんの声だけが静かに響く。
穏やかな屋上。
「ねぇ桜井さん」
声を掛けられちらっと茂木くんに目線をやる。
「今日初めて声を掛けたのに、君と居るとなんだか誰と居るよりも落ち着くきがする」
とくん。とくん。とくん。
あたしはあたしの鼓動を聞きながら、だだ茂木くんの顔を見る。
「桜井さんは隣に居てくれるだけで、俺の存在を認めてくれてる気がする。なんだか不思議だよ」
穏やかな瞳があたしを見つめる。
とくん。とくん。とくん。とくん。
あたしはこの人の隣に居ていいの?
ねぇ、あなたは私を裏切らない?
あたしは誰も信じたくないの。
誰とも一緒に居たくないの。
うらぎられるのが怖いから。
あなたは、私を裏切らない?


