「空が綺麗だ」
屋上で出会った日茂木くんはそう言って寝転んで空を見上げていた。
特別沢山の会話をするわけでもなく、ただ空を見ていた。
あたしもそっと腰を下ろして空を見上げた。
どうしてあたしはここにどどまっているんだろう。
親しくなるなと心が叫ぶのに、別の何かがこの人なら大丈夫だと言ってる気がして。
この人はあたしを嫌わない。
この人はあたしを裏切らない。
心の奥から誰かが囁いてる気がした。
その囁きが駄目だと叫ぶ声を無視させた。
「あ、飛行機雲」
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